男性生殖器の構造と機能を知ろう!
男性の生殖器は、陰茎、亀頭、海綿体、尿道球腺、前立腺、精管、精巣上体、精巣、陰嚢に分類できます。
これらの男性生殖器は、精子を作って体外に排泄すること、男性ホルモンを作ることを目的としています。
勃起や射精のメカニズムについても理解しておく必要があります。
なぜなら男性不妊の一つである勃起障害は大変なストレスとなり、結果として精子の質を悪化させ得るからです。
ではまず勃起について。
海綿体は細い糸のような血管が無数に集まったスポンジ状の構造で、周りを「白膜」が覆っています。
非勃起時には陰茎海綿体につながる血管や平滑筋は収縮した状態で、血液が中に押し寄せることはできません。
おもに毛細血管を通して、海綿体組織に栄養や酸素を運ぶだけにとどまっています。
性的刺激を受けると、まず脳の中枢神経が興奮し、その情報が脊髄神経を通って陰茎へと伝わります。
すると体内では一酸化窒素が放出されます。これが勃起の始まりです。
一酸化窒素が放出されると、勃起に深く関わる陰茎深動脈と螺行動脈がゆるみ始めます。
さらに海綿体の平滑筋も弛緩することにより、多量の血液を受け入れる準備が整います。
そして一気に海綿体へと血が流れ込み、血液の圧力によって海綿体は硬くなります。
これが勃起という現象です。
一度勃起すると、海綿体を覆う白膜がパンパンに膨れた状態となり、静脈が圧迫されます。
これによって陰茎の内圧が上がり、一度流れ込んだ血液が簡単に出て行くことなく、勃起が維持されます。
勃起は副交感神経によってコントロールされているので、リラックス状態でなければなりません。
緊張していると勃起状態を作ることはできないのです。
続いて射精について。
射精は交感神経によってコントロールされ、腰椎にある射精中枢から指令が発せられることにより起こります。
射精は主に亀頭冠への刺激によって誘発されますが、刺激の強さよりも一定量の刺激が継続的に蓄積することが必要条件で、刺激の総量がある限界値を超えると腰椎から生殖器を取り巻く筋肉群へ射精指令が発せられます。
一度射精指令が発せられると、あとは射精へ向かって一気に突進していくため、もはや自分の意思で止めることは不可能になります。
射精のメカニズムが発動してもう後戻りできなくなる時点のことを不帰点と呼びます。
次は精子について。
精子は精祖細胞、精母細胞、精娘細胞、精細胞(精子細胞)、精子へと分化成熟します。
この過程に約3か月の期間を要します。
1日に精巣で作られる精子の数は健常成人男性で約2憶ほどで、日々絶え間なく産生されており、精嚢の精液のストックはおよそ3日で一杯となります。
禁欲期間が長くなると精子の質(運動率、奇形率)が低くなることがわかっています。
なので3日に一度は精子を体外へ出し、常に新鮮な精子を溜めておく環境づくりも必要です。
一回の射精では通常1億~4億程です。
精子は遺伝情報である核DNAを含有する頭部、ミトコンドリアの集合した中片部、さらに中心小体から伸びた軸糸からなる尾部から構成されています。
尾部はエネルギーを取り出す働きをするミトコンドリアを多く含み、これが精子の運動の原動力となり、軸糸を動かし卵子に向かって進みます。いわゆる運動率です。
運動率を上げるためにも、日々の生活の中でミトコンドリアを活性化してあげることが大切です。
精巣の働きは34度以上の温度に弱く、これが睾丸が体幹から離れてぶら下がっている理由です。
また、自転車やバイクに乗ると陰茎や精巣がサドル部分に圧迫されることがあります。
精巣が圧迫されることで熱がこもり、精子を作る機能に影響を及ぼす可能性が高いという研究結果もあります。
精子の女性の体内での寿命は約72時間(約3日)と言われてます。
もちろん個人差はあるので72時間より短かったり、長かったりもします。